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何気なく暮らしている日々の中にある『アート』を紹介していくブログ。
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photograph Taichi Kageyama

彼はこのブログを作るきっかけとなった一人である。
彼からしてみれば、なんのこっちゃわからないと思う。
中学の同級生である彼。卒業以来、僕の人生に彼の名前はなかった。
それが昨年の夏、突如として僕の人生線に交差してきたのだ。
僕は年末に行われる中学の同窓会用に映像を頼まれていた。
その映像の中で使う写真を撮る為に、彼が呼ばれたのだ。
彼が写真を撮っていることは噂で聞いていたが、
当日、カメラ用のキャリーバッグを車から取り出した時には心底驚愕した。
というのも、彼は釣り具関係の仕事をしていて、個人としても釣りをこよなく
愛する男と聞いていたからである。
(僕は「趣味」という言葉があまり好きではない。なんとなく遊びでやっている。
 という感覚がこの言葉にある気がしてならない。本来の意味で言えば
 仕事でない以上、趣味と記すべきかもしれないが敢えてそうしなかった。)
写真を見ていただければわかると思う。
昨今の一眼ブームに乗って写真やってみました。みたいな空気は一切感じない。
釣りと写真。もう一度言うが、本来の意味で言えば「趣味」であるこの2つを
僕からしてみれば「仕事にして良いんじゃないか」というレベルで楽しんでいる。

彼の凄さにはもうひとつ理由がある。
とにかくフットワークが軽いのだ。約10年ぶりに連絡してきて
僕が頼んだ同窓会用の写真撮影も「楽しそう。」と即快諾してくれた。
自分の趣味ではない(であろう)イベントなどにも友人の誘いがあれば
「よっ!」と気軽に顔を出す。
これは意外とできることではない。僕たちが常日頃使う「行けたら行く。」
という嘘を彼は使わない。そんな印象がある。
仲間を大切にし、しっかり行動で示す。仲間との時間を楽しみ、大事にする。
簡単なようで、難しいことだ。



彼のそんな性格が、昨年末、新しい繋がりを生んだ。
仲間から仲間へ。もともとクラブとはあまり縁のなかった彼が
「scarlett」というイベントに写真撮影として参加したのだ。
(前記事で紹介したCHISAKA AYAKAがオーガナイザーを勤める
 HOUSE/TECH HOUSE/TECHNOイベント)
休日を海や川で過ごす彼が、夜の街で写真を撮っている。
普段あまり耳にしない音の中で彼が撮った写真はどこか新鮮に見える。
scarlettについては今後また紹介する機会があると思うので詳しくは言わないが
2月には彼女らの映像撮影にも参加している。

僕がこのブログを作るきっかけとなった。という理由がだんだん
わかってきたと思う。
そして、もうひとつ僕が影響を受けた作品がある。
仲間の乗る車のPVだ。最近やっとその映像を見ることが出来た。
いなせな仲間のいなせな車が走る姿を撮ったその映像は
(偉そうな言い方で申し訳ないが)しっかりと編集された「作品」だった。
残念ながらブログにその作品を載せることはできないが、
この話を友人から聞いた時「そういう形のモノ作りがあるのか」と気づき
ブログの構想に繋がったのである。
彼らはお金や名声の為に作品を作るのではない。
将来、職業として色んな意味でのアートを目指す僕には目から鱗だった。
今後こういう話が要所要所で出てくると思うが、表現というものに対して
僕の中にもともとあった価値観とは全く違った表現の形。
純粋な「楽しい」という感情から起こるそれらは、多分、
僕が目指す人生のあり方でもある「物語のような人生」を切り取ったものだ。
人は「憧れ」が「憧れ」のままであることが普通のように振る舞う。僕には
そういう印象がある。
しかし「憧れ」を「現実」にする瞬間。それが彼らの日常には溢れている。

彼のホームは釣りだ。
彼はそんな『釣り』と書かれた家から、色々な場所へ出かけていく。
まるで散歩をするように出かけた先には仲間がいる。
彼にはそういう「好きなモノ」の世界にすら家があり、休日を楽しむ場所がある。
そんな哲学のような世界を、彼は、持って生まれた明るさと人の良さで
自然と創り出していったんだろうと思う。


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photograph Tsubasa Akimoto

『俺は五感と想像力が薄れてきてるから(中略)だから
 外出て、カラダ全体でその一瞬の空気を逃さず感じようと
 思って。
 最近毎週、周りの仲間のおかげでアホみたいに楽しませてもらってて。
 でも逆に自分自身は薄くなってきてる感じがしてさ。
 オリジナルを育てなきゃって感じだね。』

彼と言葉を交わすと、毎回、何かに気付かされる。
僕の汲み取った感覚と彼の言葉が100%同じではないと思うけれど
大体いつも「」で僕の脳が働く。
それは多分、彼の真っ直ぐな生き方が言葉になった時、自分の中の
本能的な部分が反応するからだろう。誰もが持っている動物的な部分。
正直で汚れのない部分だ。

憧れや尊敬の中には、確かに吸収すべきものがあって
そういう環境の中に身を投じることは悪いことじゃない。
けれど、どうだろう、その中に体を浸し続けると
人は案外、自分の可能性を見失いがちだ。
自分の可能性を深く探ることはとても苦しい。答えのない壁が
何度も目の前に現れたりする。
だけど彼は知っているんだと思う。その壁を乗り越えた先にある景色が
見たこともない素晴らしい景色だということを。
いつだってフェンスの向こうには金網に邪魔されない、自由で
面白い世界があるのだ。

『そうか、シンプルに考えたら常にありのままで生きれるように
 なればいいってだけだった!忘れてたw』

彼の写真は他人から見ればありきたりかもしれない。
けれど、彼を知った時、彼の言葉が自分の心と共鳴した時
その写真は、彼の真っ直ぐで汚れのない世界を僕たちに
教えてくれる媒体になる。
彼の見ている世界を見れたような気がしてならない。
それは幸せなことのように思う。

とはいったものの、彼も僕も毎日 煩悩相手にボコボコに
されては、ベッドにうずくまって嘆いたりしている。
まだまだ悟りの道は遠いなぁ・・・
プロフィール
HN:
Ryosuke Watanabe
HP:
性別:
男性
自己紹介:
自分や友人の周辺で起こる日々のアートに注目。
面白いこと、紹介していきます。
興味を持った方、感想等はコメントへお願いします。
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