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何気なく暮らしている日々の中にある『アート』を紹介していくブログ。
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paper clay Ryosuke Watanabe


Don't think!Feeeel!!
ということで、前記事のこぼれ話。長編。
友人と自由について話していた時に出た、
「考えるな、感じろ」
という言葉。しかし前記事でも書いた通り、
これは、『自由』とは直接関係のある言葉ではない。
ではこの時、Bruce Leeが何について説いているのかと言えば
武道家としての心の持ち方だ、と僕は解釈している。
ただ、彼がかなり真理に近い思想を持っていたからこそ
この言葉は大きな意味で色々な方面で汎用できる言葉となった。
つまり、人としての心の持ち方、である。

ところで、この言葉の、前後を含めた真意を探る為に
そのシーンを見直していた所、
字幕と、僕の感じた印象が少し違っていたので、
それについて解説しつつ、この言葉を解釈していきたい。
僕は英語なんてからっきし出来ないので、間違っていたら
ごめんなさい。

練習試合を終えたLeeの元に、弟子が現れる。
挨拶の後、Leeは弟子に向かって『kick me-蹴れ」という。
弟子が蹴りを披露した後のLeeの言葉は、
『we need emotional content』だ。
字幕では「五感を研ぎ澄ませるんだ」である。
少し違和感がある。この違和感が証明されるのが次の、蹴りの後だ。
「もう一度。」とLeeが言った後、弟子は表情を険しく、
力を込めて、蹴りを繰り出す。すると、
『 I said emotional content. not anger!』
「五感を研ぎ澄ますんだ。怒りではないぞ」とLeeは怒る。
五感を研ぎ澄ませろ、と言った結果、弟子の蹴りが怒りの蹴りになる。
これがよくわからない。
それは『emotional content』「五感」と訳したからだと思う。
google翻訳すると、この言葉は「感情的な内容」となる。
つまり、Leeが最初に言ったのは、
「私たちに必要なのは感情的な内容だ」ということである。
これで、彼が怒られた理由がわかる。
弟子の彼は「感情的な」という言葉を「怒り」と捉えた訳だ。
ただ、ここでわかるのは、これを字幕にするのはかなり難しい、ということだ。
Leeが弟子に感じてほしかったことの真意(つまり"感情的な"という言葉の意味)が、
「五感」という言葉に近いからである。
ただし、厳密に言えば、Leeが言いたかったことは「五感」という「感覚」から
感じ取った「心の感覚」が大切だ、ということのように思う。

そして、その言葉を聞いて弟子がもう一度Leeと手合わせする。
弟子の素直な蹴りを受けてLeeは「そうだ。何か感じたか?」と問う。
弟子は「そうだな・・・」と考える。Leeが弟子の頭をはたく。
ここで出てくるのが、
『Don't think!Feel!!』「考えるな、感じろ」
である。
五感を使い「心の感覚」で蹴りを出せた弟子だったが、まだその感覚を
掴めてはいない。何を感じた?と問われ、考えてしまう訳だ。
そして次にくるのが、空を指差しながらの
『It is like a finger pointing away to the moon』
である。字幕では「月を指差すのと似たようなものだ」と訳されていたが、
これもまたニュアンスの違いが出ている。
「それは月を差す、指のようなものだ」と僕は解釈した。
ただしこれは、『it is like a〜』の『it』が何に対してなのかで変わってくると思う。
その指に注目している弟子を、Leeはまたもはたく。
「指に集中するんじゃない、その先の栄光が得られんぞ」と。
これはまぁ、
『Don't concentrate on the finger or you will miss all that heavenly glory』
で、僕訳は「(略)さもなければ君は天の栄光を失うことになる」と、
反対であるものの間違いではないように思う。
「得られない」ということと、「失う」ということは若干の違いはあるが。
問題は「指」の話だ。
「月を指差す」という「行為」を「のようなものだ」というのと、
「差す指」自体を「のようなものだ」というのでは、やはりどこか違う意味を
なしてくるように思う。
「指月」という言葉がある、
「月を示そうと指さしても、肝心の月を見ないで指を見てしまう」
「言葉は教えを示すものであり、言葉自体が教えではない」
ということである。
わかりやすく例えるとすれば、
"ある著名な料理人の元に弟子たちが集い、作り方やレシピを教えてもらった
 とする。弟子たちが「この包丁の使い方は〜」とか「この食材は〜」とか
 いくら議論した所で、料理をしなければ上手くはならないよ"

というような感じだ。
つまり、何を感じたか?と聞かれて、弟子が考えてしまうのは、
「指に捉われて」いるんだ、と。
「形」に重きを置かず、「心の中身」「形の意味」を大事にしろ、
とLeeは言いたかったのだと思う。

世の中には素晴らしい言葉、名言がたくさんある。
しかし、僕が感じる世間のイメージは、その言葉を大事にしたところで、
「良い言葉だな」と胸にしまうだけで満足している節があるように見える。
結局は「こうであれば良い」という枠を出ない。
だから嘘くさくなる。
名言や良い話に感動したのであれば、本当に目指すべきなのは、
その言葉を真に理解し、そして自分自身の解釈を出して、
つまり「名言」という言葉の羅列から、本当に自分にとって大事な意味を見つけて
言葉に捉われない、自分の道を歩くことなんだと、思う。

そうすれば、それは「私」になり、「言葉」を忘れても、その信念は
ずっと「私の中」に残り続けるはずだと思う。

参考:http://www.youtube.com/watch?v=2d5o8d1kitM
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通りすがりの者です
自分がわりと信用しているオンライン英英辞典によると、
emotional
1.having emotion
2.having strong feelings
3.a reaction to a situation, place, person, etc.
4.having deep or intense feeling
5.sometimes used to describe the genre of music, emo...以下略

Content
The word Content has two meanings:
1.
adjective,
Desiring no more than what one has; satisfied.
verb,
To make satisfied.
noun,
contentment, satisfaction.
2.
noun,
Something contained, as in a receptacle.

とありますので、
"Emotional Content"
は、日本語に訳すと、
「強い気持ちを伴った真意」
のようなニュアンスだと思います。
自分もそこまで上手く訳す自信がある訳ではありませんが、上記の
We need emotional content という部分
-> 俺たちに本当に必要なものは、強い意志だ。
というのはいかがでしょうか?
Y Tani 2014/01/27(Mon)17:14:11 編集
プロフィール
HN:
Ryosuke Watanabe
HP:
性別:
男性
自己紹介:
自分や友人の周辺で起こる日々のアートに注目。
面白いこと、紹介していきます。
興味を持った方、感想等はコメントへお願いします。
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