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何気なく暮らしている日々の中にある『アート』を紹介していくブログ。
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photograph Tubasa Akimoto

今の彼と切っても切り離せないのがスケートボードとバイクである。
僕の中学の同級生でもある彼がスケートボードにはまっている、と聞いたのは
僕がスケートボードを始める半年程前だ。
アンダーグラウンドな世界に憧れのあった僕は、地元に戻るなり、すぐに
彼に教えを乞うた。
すでにスケートボードの世界に慣れつつあった彼に付いて夜の街に繰り出したのは
3ヶ月程経った頃であろうか。
そこで彼の仲間と出会い、一緒に行動するようになった。
彼は基本的に自由だ。人によっては彼の行動に驚くこともある。
まず、街に到着し駐車場につき支度が整うなり彼はスタートダッシュを決め込む。
これはまぁ僕が街に慣れてからのことであるが、それでも僕は当然、追いつけない。
お互いがそれを知ってのことである。
彼は彼のスピードで、僕は僕のスピードで、夜の街を楽しむのだ。

スケートボードの楽しみ方は様々である。
場所を決めてそこで練習をするのも楽しいが、まずは、その時々の風景を
好みのスピードで駆け抜ける爽快感を楽しむ。
流れる風景が、町並みが、風が、気持ちいい。
「移動すら楽しい乗り物」「遊べる乗り物」スケートボード。
本気になればママチャリくらいなら余裕で追い越せるのに、こいつは遊びの
道具でもある。
車であれば一瞬で流れていく風景をゆっくり楽しみながら滑る。
気がつけばいつもの場所に着く。
気分が違って、彼がいなくても携帯があれば連絡はつくのだ。

示し合わせていなくても、いつの間にか仲間が集まってくる。
彼の仲間はみんな、そんな「自由の申し子」のような人たちだった。
一緒にいないようで一緒にいる。
一カ所に集まって遊んでいても、姿が見えなくなる人たち。
気分が変われば、誰にも言わずに酒を買いに行ったり、場所を変えちゃう。
そんなひとたち。
そういう感覚のない知り合いのスケーターの人と一緒に滑っていた時、
いつもの感じで彼が姿を消した。その人は「あいつ意味わからん。」と
少し不機嫌だった。一緒に遊んでいるのに勝手にいなくなるなんて、と。
自由とは、そういうものなんだな、と感じた瞬間だった。
僕にとってはそれが心地良かったのだ。
スケートをしに来たのに道ばたで寝ている僕にも、スケートそっちのけで
街並みの映像を撮る僕にも、彼らは何も言わなかった。
基本的な技のひとつもできないのにだ。スケートが出来る出来ないじゃなく
嬉しいことに、そんな僕自身に興味を持ってくれた。


photograph Ryosuke Watanabe

『Life is Skate』
基本的な技のひとつもできない言い訳として、こんなことを呟く。
スケートのある生活。それが(だけで)楽しい。
日頃、移動というものは特別なものでない限り、ただの時間の消費だ。
スケートボードはそんな、つまらない生活行動を彩る。
「ちょっとコンビニへ」といった日常の移動がアトラクションになる。
そんな「楽しい」への追求が彼らは得意なのだ。
『どんな時間にも無駄なんてない』
そんな、すべてをおいしくいただいちゃおう、的な感覚は
こんなつまらない日常だからこそ楽しく生きよう、という努力の証だ。

日々の忙しさ時間のなさに不満を並べて、何もしないで
(彼らもきっとそんな時間を通ってきた、だからこその答えが)
ぐだぐだ言ってても、くだらねーしつまんねー!だったのだと思う。

彼らにだって(当たり前だが)生活がある。仕事をして疲労する。
けれど彼らは、休日になれば青空の下、スケートに興じる。
「楽」と「楽しい」は違う。
「楽しい」を存分に味わうには、朝早く起きることもいとわない。
それはある意味「努力」だと思う。
いつからだろうか友人と遊ぶ約束をすると「じゃあ飲もう。」と
返事が来るようになったのは。
昼からだとしても「14時。」と言われるようになったのは。
(いや、会ってくれるだけで嬉しいですよ!それは本当に!
 この話はまたいつかすると思いますが、本当に)
僕が言いたいのは、時間が早ければ良いとか、そういう話ではなく
彼(ら)が凄いのは、自分に正直で、その気持ちをしっかり実現させるのだ。
「〇〇行きたいな」とか「〇〇してみたいな」とか、
思ったことはちゃんと出来る範囲で実現させていく。
だからといって歯を食いしばって必死に生きるのではなく
休みたい時はちゃんと休む。行きたくなければ行かない。
そのバランスの良さだ。
苦しむことより楽しむ努力をする。自由に生きる努力をする。
案外、それは難しいことだ。自分が苦しめば、人間関係は円滑に進むし
人に嫌われることも少ないだろう。
彼らはそれをわかっていながら、あえて自分の道を行く。
色んな名言にもあるように、嫌われない為に努力するよりも
好かれるように頑張る方が実は簡単で、はるかに素敵だ。
嫌われていないのと好かれているのじゃ、意味が全然違う。
嫌われていない人が周りに大勢いたって、どれ程のものだろうか。
そういうことを自然と身に付けている。
だからこそ、広い器を持っている。
自分の(常識から見れば)ダメなところも許容するからこそ、
人のダメなところも許容できる。
そうやって人を惹き付けて、本当に大切な仲間たちを作っていく。
本当の意味で人生を共有し、笑いあえる友人だ。

そんな彼らが当ブログにおける「変態」である。「器のでかい人」たち。
「器のでかい人」は「変態」であり、「変態」は「自由な人」なのか。
そんな人たちがskateに集まるのか、skateがそんな人たちを形成するのか
それは永遠の謎である。


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プロフィール
HN:
Ryosuke Watanabe
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性別:
男性
自己紹介:
自分や友人の周辺で起こる日々のアートに注目。
面白いこと、紹介していきます。
興味を持った方、感想等はコメントへお願いします。
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