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何気なく暮らしている日々の中にある『アート』を紹介していくブログ。
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photograph Tsubasa Akimoto edit Ryosuke Watanabe

彼らにとっては、見慣れた風景。
僕がスケートボードを始めて、出会った風景だ。
今回は善悪などについて、少し偏った僕の視点で語っていこうと思う。
不快な思いをする可能性があるが、そういった物事について考えるキッカケになれば嬉しい。
善悪の物差しって一体なんだろうか?法律?常識?
そんなことを考え続けた結果、僕はある時期から自分の物差しを持つことにした。

皆さんの中にも街中でスケートボードをする少年、青年たちを見て不快な思いをしたことがある人がいると思う。そのイライラは果たしてどこからくるのだろうか?


そんなことを考えていくと、まず、実際に「危ない目にあった」とか「うるさいと感じた」ということがあがってくると思う。
次に、そういった体験からくるイメージができあがる。常識のない非行的な青年たち、というイメージ。実際にそういう人間は少なからずいる。否定はできない。
そもそも、あまり知られていないのか指摘されることも少ないが、街中でスケートボードをすることは法律に触れる可能性がある。

道路交通法第5章第1節第76条4
3.交通のひんぱんな道路において、球戯をし、ローラー・スケートをし、又はこれらに類する行為をすること。

この「ローラー・スケート」の部分に類する行為としてスケートボードがあがる。
つまり、たくさん車が通るようなとこでスケボーしてたら捕まえれちゃうよってことである。
僕たちは、週末になると意気揚々と夜の街に繰り出した。この流れでいえば「アウト〜!」と言われても仕方がない。
ここで敢えて詭弁ととれるような言い方をするが、僕にとってそれは速度制限40kmの道路を60kmで走るようなものだ。
車の免許の取りたてだった時、制限速度で走っているにもかかわらず後方から感じる圧迫感にイライラした経験が皆さんにもあると思う。そんな気持ちも運転に慣れてくれば、いつの間にか当たり前のように常識の範囲で車を飛ばすようになって忘れていく訳だ。
僕の嫌いなクラクションもそのひとつだ。法律上でいえば、見とおしのきかない交差点または道路標識等により指定された場所、危険を防止するためやむを得ないとき、以外は警音器をならしてはならない。ちょっと邪魔だなとか、早く進めよ、という場合は「やむを得ないとき」に入らない。安易に鳴らせば罰金をとられる可能性すらある。なのに人によっては日常的に行われている行為だ。
僕は、歩道の赤信号をできるだけ渡りたくない。以前、ポイ捨てを怒られた後に平然と赤信号を渡る友人を見て、納得ができなかったことがある。
僕の中の善悪の基準は、そういったひねくれから形成されていく。
大体が「常識」という名の曖昧な「イメージ」だと思っている。
だからこそ、僕はその「イメージ」の先にある「真実」にも目を通していきたい。否定するのはそれからだとも思う。

スケーターたちの夜は長い、色んな方法で楽しみを見つけて過ごす。
そんな中で、否定的に言えば、騒音や器物破損が起こる。
滑るだけでガラガラと音が鳴り響く。スケートボードの技の中には、例えば段差などの角を滑るものがある。もちろん何度も滑れば角はすり減っていく。器物破損と言われるとバキッと何かを壊したりするイメージがあるが、これも歴とした器物破損だ。
僕は練習嫌いで努力もしないから、基本的な技も出来ない。雰囲気を楽しみながら、たまに滑り、彼らを眺めていることが多かった。
そんな僕が眺めていたのは、彼らのスケートボードに対する真剣さと、努力だ。
彼らは自分が納得するまで何度も何度も同じ技の練習をする。時には日が昇るまで練習を続ける。
自分たちの「面白い」「楽しい」を追求する為に彼らは、出来ない自分に憤慨することだってある。
テレビ番組の「部活特集」なんかを見て感動している場合じゃない!いや、それは感動して良い。けれど、君たちが舌打ちしながら横切るその光景はまさにそれなんだぞ〜!と僕は言いたい。
街の居酒屋で気分よくお酒を飲んだ真人間たちに、絡まれることもしばしばある。
中には怒って説教をしてくる人たちもいる。「真面目に生きろ」だの「これだから不良は」だのと、僕はそんな光景の中にいて、どっちが真面目なのかわからなかった。
君がおねーちゃん目当てに楽しいお酒を飲んでいた時間、彼らは何度も出来ない技に挑戦していたんだ。色んな所を地面にぶつけながら、本当に血と汗を流しながら。

面白いことに、先ほど転載させてもらった道路交通法第5章第1節第76条4-3の前項は

1.道路において、酒に酔つて交通の妨害となるような程度にふらつくこと。
2.道路において、交通の妨害となるような方法で寝そべり、すわり、しやがみ、又は立ちどまつていること。

だった。
同じ土台に立ちながら、善と悪に分かれる2つの行動。
最終的には警察のお世話になるけれど、通報される確率は圧倒的に多いように思う。
本当に迷惑であるなら何も言えないが、見かけただけや通り過ぎ様にうるさかった、そういったちょっとした不快な気持ちの捌け口が簡単に通報につながる。
警官にもよるが、そういった境遇を少しでも理解してくれている警官もいる。
若いほど高圧的で態度もでかいが、慣れた人になると僕たちの「申し訳ない」という気持ちをうまく利用して移動せざる終えない空気を作る。
練習中のその時の高揚を冷めさせたくないからと、逃げることもある。
アメリカでいえば「ドーナッツで肥やしたお前の体に負ける訳がねぇ」といった具合だ。
そんな光景も面白い。
彼らの「楽しい」への追求と努力は、普段僕らが過ごす生活の中ではあまり見かけないように思う。
だからこそ、出来なかった技が成功したときの喜びは人一倍だ。
そして彼らはそれを当たり前のように皆で喜びあう。
そんな光景は本当に素晴らしい光景だと思う。

法的にも常識的にもアウトな彼ら。
けれど、その常識も法も(速度制限の話などからすれば)曖昧である。
この記事はスケーターに対して寛容になれとか、そういうことを言いたい訳では決してない。頑張っているんだからとか、そういった理由で皆さんが「じゃあOK」となるかどうかは別だ。
相も変わらず騒音や器物破損は生じる、「迷惑だ」と感じる基準は皆さんにあって当然である。
だからこそ、曖昧にしちゃいけないんだと思う。
「イメージ」ではなく「自分自身の判断」が必要なんだと思う。
自分の物差しを持ってほしい。
それはきっといつか役に立つはずだ。
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プロフィール
HN:
Ryosuke Watanabe
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性別:
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自己紹介:
自分や友人の周辺で起こる日々のアートに注目。
面白いこと、紹介していきます。
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